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竹内奈緒樹

 “100年続く美容企業”を目指して

 スタッフの「これやりたい!」を叶える会社に   

 luve heart's And Be 代表取締役 竹内 奈緒樹

私は美容学生としては珍しいと思うのですが、当時から、美容業界に壮大な憧れを抱いて美容師を目指したわけではなかったんです。

 

学生時代はとにかく、地元の岡山からわざわざ大阪に進学させてもらったので、「辞めることはできない」という気持ちで授業に臨んでいました。

 

「美容師」を「いち技術職」という感覚で捉えていて、就職活動の際も「憧れのサロンに採用されたい!」と息巻く同期とは対照的に、「手に職をつけて就職する」という意識が強かったように思います。

ご縁があって「Hair's Gallery」に入社しましたが、個人的には勤務時間や働く環境に不満を感じたことはありませんでした。

 

仕事が大変なのはどんな職種でも同じですからね。

 

しんどいことやツライことも、淡々とフラットな気持ちで受け入れていた私を見て、あまりの熱量のなさに当時の上司は「すぐ辞めるだろう」と思っていたようです(苦笑)。

 

「キャリアを重ねて会社を大きくしていこう」という気持ちは徐々に芽生えてきましたが、相変わらず「いつかは独立して自分のサロンを持つんだ!」という夢や野心はありませんでした。

竹内奈緒樹

「Hair's Gallery」に4年勤めた後、「air feel」に入社しました。

 

大手サロンを経験できたので、次は個人店で働いてみようと思ったことがきっかけです。

「air feel」のオーナーは、私より10年ほどキャリアのある女性だったのですが、入社当時は私とオーナーの間の人がおらず、私は24歳でNo.2に抜擢されました。

 

たいした経験もない私に、オーナーはいつも「あなたの好きなようにやってみてね」と声を掛けてくれました。

 

2店舗目となる「luve heart's And Be」を出店した際は、スタッフの教育からサロンで使用する商材の選定まで、すべて私の裁量に任せてくださって、大きなやりがいを感じました。

 

オーナーの器の広さや寛大さは今でも尊敬していますし、初めて「この人のために頑張りたい」という気持ちを持てました。

 

それまで大きな目標もなく淡々と働いてきた私にとって、オーナーとの出会いは人生の転機であり、まさに恩師と呼ぶにふさわしい存在です。

入社から4年で、元々1店舗だったお店は4店舗にまで拡大しました。

 

「これからも皆で頑張ろう」とスタッフ同士で結束を固めた矢先、私が28歳のときに、突然オーナーから「竹内くん、『luve heart's And Be』を買わない?」と言われた時は、思わず絶句しましたね。

 

想像もしていなかった提案に驚きを隠せない私に対して、オーナーは「あのお店は竹内くんに、と最初から思っていたの。あなたにはもっとチャレンジしてほしい」と仰ってくださって。

 

「そこまで言ってくださるのなら」と独立を決意しました。

オーナーからは店舗名の変更も許可していただきましたが、私自身、立ち上げ当時から全面的に任せてもらって、ゼロから店舗作りに携わった思い入れもありますし、「luve heart's And Be」(「あなたの素敵な心の願いを叶えます」の意)という店名に込められたオーナーの想いを聞いた時、ここをもっと成長させていくことが恩返しだと思い、店名は変えずにリスタートすることにしました。

 

「luve heart's And Be」の元々のスタッフには、経営者が変わることを告げ、他店に移るか私の元で続けるかを選んでもらいました。

 

スタッフ全員が「ここで頑張りたい」と言ってくれたのはありがたかったですね。

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自身の店舗として新たに「luve heart's And Be」を立ち上げる際には、苦労もたくさんありました。

 

まず私は、それまでスタイル撮影をしたことがなかったので、自身のスタイル作品を活用して、新規のお客様を集める方法が分からなかったんです。

 

以前から私を指名してくださっている顧客の方々は引き続き来店してくださるのですが、私以外のスタッフの顧客を新たに獲得する必要がありました。

 

スタイル作品を活用して雑誌やWEBサイトにサロンの広告を出すため、初めて撮影にチャレンジしました。

 

専用のカメラマンと契約するところからスタートして、試行錯誤を重ねながら撮影したことは、よい経験になりました。自分で何かを考えて行動に移すことの大変さと面白さを実感できました。

美容師の業務に限らず、お客様から対価をいただく「仕事」において「手を抜くことは許されない」という思いが人一倍強かったんです。

 

しかも「luve heart's And Be」は、オーナーが私に任せてくれた店だということもあり、プレッシャーと責任感から、当時は声を荒げて怒ることも多かったですね。

 

そんな私の元に残って働くと言ってくれたスタッフには、本当に感謝しています。

当時から仕事に向かう心意気だけはしっかりと伝えたいと思っていました。

 

年に数回、頑張って働いたお給料を握りしめて来てくださるお客様に、こちらの都合で嫌な思いをさせるわけにはいきません。

 

お客様はもし気に入らないことがあっても「ありがとう」と言って帰られるでしょう。

 

でも、その言葉の裏には「もう来ないよ」というメッセージが隠れています。

 

そうした機微を読み取れないスタッフは、明らかにお客様に嫌な思いをさせてしまったにも関わらず、表面的な言葉だけを聞いて、危機感を持つことすらできないんです。

 

そんな中途半端な接客や施術で顧客を失うことがないよう、しっかり指導してきたつもりです。

La Chouette

現在「luve heart's And Be」は、フランチャイズ店舗やネイルサロン、アイラッシュサロン、カフェなども含めると20店舗弱を運営しています。

 

「Hair's Gallery」時代も含め、美容業界は毎年たくさんの新人が入社するにも関わらず、辞めていく人も多い業界だということを痛感してきました。

 

だからこそ独立した時に「これからは労働環境を整えて、安心・安全に長く働ける“美容企業”を作っていこう」と決心しました。

最初にカフェを作ったのは、スタッフのお昼ごはん事情が芳しくなかったからです。

 

コンビニ弁当やお菓子、パンで適当にお昼を済ませるスタッフが多く、社員食堂のような場所があれば、きちんとしたものを食べてもらえるのではないかという思いから、カフェをオープンしました。

 

その後、ネイルやアイラッシュのサロンも出店し、本格的にトータル美容企業としてスタートを切りました。

 

店舗拡大の時期に社内でのちょっとしたトラブルが重なり、正直、経営が厳しい時期もありましたが、幹部となったスタッフたちが会社を立て直そうと必死にサポートしてくれて、なんとか成長を続けることができています。

竹内奈緒樹

「luve heart's And Be」は「ALL YOU NEED IS LOVE!愛こそすべて」をコンセプトに、心豊かな人を育てる会社ではなく、心豊かな人が育つ会社を作り続けたく、共育を大切にしています。

 

だからこそ、仲間やお客様に対して愛や感謝の気持ちを忘れない、日常のささいなことにも心を動かせる感受性豊かな人と一緒に働きたいですね。

仕事は、ある程度、自分でできるようになって初めて楽しめるもの。

 

そこに辿り着くまでに辞めてしまう人が多いと思うので、必要以上に手をかけすぎず、でも、しっかりと「仕事の楽しさ」を感じられるような指導を心がけています。

また、美容技術の向上のみにこだわるのではなく、スタッフがやりたいと声を挙げたことは全力で応援します。

 

自ら考えて経験することで責任が生まれ、成長に繋がります。

 

失敗を恐れず、何事も、まずはやってみることが大事。

 

私自身、アパレルブランドを立ち上げた時は周囲に大反対されましたが、企業としての視野も広がって、今ではチャレンジしてよかったと思っています。

 

これからも「luve heart's And Be」で皆がどんな新しいことにチャレンジしていくのか、私たちもワクワクしています。

カフェやアパレルショップなど、異業種の店舗を持つことは、スタッフの働き方の多様化にもつながります。

 

例えば、女性スタッフが産休後に復職する際、美容師としての勤務は難しいけれど、カフェのスタッフとしてなら働き続けられるかもしれません。

 

一緒に働く仲間が、結婚や出産といった人生の節目を経験し、成長していく様を見られるのはとてもうれしいこと。

 

家庭を持った後も、安心して働き続けられる環境を整えることが私の仕事です。

 

スタッフ一人ひとりに異なるライフステージがあって、その様々な段階に応じて、自分らしく輝ける場所で、納得できる働き方を見つけてほしい。

 

その積み重ねが“100年続く美容企業”につながると信じています。

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