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僕は感覚的に生きているタイプなのでどちらかというとサラリーマンとかではなく、自由で刺激的な仕事がしたいって気持ちがあったんだと思いますね。
でもわりとオシャレは好きだったしファッションとかには興味あったから自分の自由な感性で勝負できそうな美容師を無意識に選んだんだろうな。

あとは女性が大好きだからという理由ぐらいで(笑)。正直そんなに深く考えてなかったんです。
今でも何でこの仕事をやってるのか未だによく分からないと思うこともあるけど、はっきり言って美容は得意ですね。
人を読む力があるというか、、、人を感じる力があるというか。
だから人を想い髪を切り、人を喜ばせられる美容師の仕事を続けることは、自分にとって必然的に導かれている感じなんですよ。
美容学校の頃はまだ自分の感性って全然自覚出来てなかったですね。

『SHIMA』に入社して集団の中で競争心に目覚めたっていうのはわりとあるでしょうね。
大きい組織だったので、そこで単純に一番になりたい気持ちが芽生えて、人よりも上手くなって売れたい、人よりもいいモノを作りたいっていう競争心が人並み以上にありましたね。
そんな中で自分が描きたい世界はまだなかったんですけど、競争心が芽生えた事で色んな情報を得てカッコイイものを知ったのが後の自己表現に繋がりました。
独立してからはお店の名前、内装、打ち出すヘアスタイルなど、表現ってものが自由にできるようになって、自分の好きな世界観を出し始めた感じですね。
僕は商売を中心に考えるタイプではないので、自分がやっている美容の仕事でカッコイイものを作りたいっていう願望がものすごくありました。
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僕が独立した時代は美容雑誌がやけにダサいなって思ってて、国内外のファッション誌との温度差と古さがすごく悔しかった。
ビジュアルとして日本そして世界のファッションデザイナーやカメラマンから見ても負けない美容のビジュアルを作りたいなっていうのがスタートでしたね。
そういう気持ちでつくった作品がJHAでグランプリなどを頂いて更に欲求が高まってきて、色んな方向性を模索して表現し続けましたね。

感性を磨く為には欲求する気持ちが必要なんだと思います。

いかに枯渇しているかどうか。

ただ、例えば美術館に行けば感性が磨かれるとは思わないんですよ。

欲求があるから何かを見たい、何かを表現したいから映画を見漁るそういうところに繋がると思うんですよね。

今の日本の若い人達に欲求を起こさせる事自体とても難しいんですよ。

色んな道筋を作ってあげるんだけど、情報がありすぎて本人が本能的にやる気にならないんだよね。

ただの学習じゃ感性なんて決して磨かれることはなくて、枯渇と欲求の中でとことん追い込まれないと磨けないものかなとさえ思う。

いくら準備しても本人がその気にならなかったら何を与えても意味がないからね。

いかに脳に電気ショックを与えるかが教える側のひとつの使命なんだと思う。

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今、美容業界全体を見た時に思うのは、「このままだと日本の美容もったいないな」ということ。

日本の美容師は世界的にもクオリティーが高いからもっと海外を視野に入れた方がいいですね。

村社会みたいに小っちゃいところで喜んでないで日本人の美意識を持ってどんどん海外に出て勝負していくべきだと思うよ。

今まさにそんなチャンスの時代だな。


美容室も溢れるほどいっぱいあって美容師さんも腐るほどいっぱいいて、売れる事だけに必死になって、みんな同じようになってしまってるのが残念ながら現状だと思う。

そういう売り上げ重視のフラットな考え方がいつの間にか当たり前になっちゃったけど、もっとオリジナリティがあればそのオリジナリティに集まって来る人達は必ずいるからね。

美容に対する自分のスタンスにもっと自信が持てるように差別化していって勝負する時代になる。

 

ほんとここ10年~20年は売れる事だけに執着してきた時代だったけど、そろそろ限界がきてるからもう一回リセットして新しい時代の髪を創る姿勢に戻らないとね。

それぞれの美意識と個性がより強くなっていかないとこれからの時代はダメなんじゃないかな。

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どこの業界もだけど、インチキが多くなってるじゃないですか。

 

メディアに出て一瞬バカ売れしての構図、、、それに踊らされている消費者。

でもそろそろ感性のいい人は気付いているよね、インチキだって。

 

そうすると「本物って何なの?」って意識が目覚めるものだよね。

分かっている人達は徐々にそこから離れていいモノを探し出し求めるようになる。

これは自然な流れだからね。

 

だからこれからは一般の流れに合わせたその場その場ビジネスでやっていくのか、本物としてひとつのスタイルを貫いていくかの二極化だよね。


髪の毛だけは絶対にオートメーション化できないからね、永遠に一対一の手作りという超貴重な職業だからさ、、、

 

美容師さん自体の人間力が高まればそれだけ人を集められる物凄く面白い領域の職業なんだよね。

だから目覚めてほしいな、「こうすればみんなうまくいく」的な集団催眠の状態から。

目覚めて個人の眠っている意識が開けばもっとそれぞれの潜在能力が発揮出来る楽しい時代になる。 


美容師としての僕の今後は、、、

 

なんらか次世代に電気ショックを与えられるような表現は続けていくつもりです。

こんなの今まであり得ないってところに道をつくりたいと思ってしまう性格なので、次世代に「目の前のそんな枠、取っ払っちゃっていいんだよ。」というメッセージを込めて、それが美容なのか写真なのか音楽なのか踊りなのかは分からないけど、端っこでメランコリンに表現し続けていきます。

それが俺の生きる喜びなんです。笑

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