
“スター”ではなく”ヒーロー”に
ヒーローマインドで繋がる体温のある会社。
HAIR TIME 代表取締役 石井 博之
幼い頃から人を喜ばせることが大好きな父を尊敬し育ちました。
また中学生の時、兄がバンドマンとして当時すごい人気者に。
父も自営業でしたし、きっと何かを創造して人のエネルギーが動くということが好きなDNAなのでしょうね。
兄への憧れとコンプレックスもあり、必死でギターを練習してそれなりのポジションになりましたが、当時の僕は決してオシャレじゃなかった(笑)
そんな僕を付き合っていた彼女がプロデュースして変えてくれました。
その影響で僕もバンド活動中に人の髪を切り、セットする様になり、自然と進路は美容師に。
当時は男の美容師が少ない時代。
高津理容美容専門学校で「これからは男性美容師の時代だよ」と言われて素直に美容学校に入学しました。

専門学校の企業研修で、出会ったのが「HAIR TIME」でした。
社長(現会長)の「ウチおいでよ」に導かれ入社しました。
しかし、入社してすぐ手荒れがひどくドクターからも続けるのが難しいと言われましたが、社長特例でシャンプーをしないでいい新人として勤務を続けました。
時代もあり先輩方からの圧力も厳しかったですが、耐え続け、スタイリストデビューをしました。
実は3年くらいは毎日、美容師を辞めたいと思っていましたよ。
そして独立を考えた事もあります。
売り上げも好調な2000年前後、カリスマ美容師ブーム絶頂の頃、社長にその思いをぶつけたこともあります。
コンテストにも入賞し、雑誌にも取り上げられ、ロンドンから帰国して完全に調子に乗っていた僕は今度こそ!と意気込み社長へ独立計画を話しました。
そんな中、メーカー主催のパーティーに同行しましたが引き留められると感じ、社長と行きの新幹線は一言も話さず変な空気でしたね(笑)その帰り道、「現副社長と一緒に初の大型店舗(現レスト店)を任せたい」と伝えられました。
僕はその話を聞き社長の想いに触れ「やっぱり尊敬している、大好きな社長を喜ばせたい」「独立はせず生涯、HAIR TIMEで働く」と腹を決めました。
オープンからは有難い事に、目の回る忙しさでしたが、充実した毎日の始まりとはいかず腎臓の病気を患い、人生での暗黒の10年の幕開けとなりましたね。
汚い話ですが、腎臓は尿を造る臓器で上手く尿が排出できず、背中に穴を開け人工尿道を付け、オムツを履いて営業をしていました。
手術も必要な病気で大きな手術も経験しました。
1回目の術後、目が覚めた時、社長が目の前に居てくれた時は「この人に一生恩返ししたい」と決意を新たにしましたね。
病気の辛さはもちろんありましたが、美容師という仕事を辞めるという選択肢はありませんでしたし、お店を任せられた気持ちにも答えたくて一生懸命、続けました。
そうしたら病気が突然消えて無くなった。奇跡ですよ!

スタッフも増え会社も成長し、そして4年前社長に就任しました。
1年目はプレッシャーで円形脱毛ができました。
これがよく聞く社長の孤独かぁ。と一人で孤独になっていました(笑)
大切な従業員や家族の生活がかかっていますからね。
尊敬する経営者の方々にも、たくさんアドバイスを頂き「人をコントロールしょうとしている」という言葉で、突っ走ってトップダウンになっているなと反省。
後を任せたい信頼できるスタッフも居て、そんな仲間と「未来ミーティング」という自分達のなりたい未来について語り合っています。
決して僕が偉いのではなくみんな同じ。
それぞれの役割があるだけ、僕の役割は社員のみんなを幸せにする事で、店長、副店長、各リーダー、、、それぞれに役割があります。
お店では来店されるお客様に喜んで頂く。
それぞれの役割を果たせる組織、理念やビジョンが串刺しになった強い組織づくりを目指しています。
今年から「FOR YOUの精神」を掲げ、スタッフ同士、心の在り方を大切にしています。
スタッフも想いに応えてくれて頑張ってくれています。
会長の想いを次世代に引き継げる、経営者として一番の喜びですね。
今は経営をしていて辛いと感じた事はほとんどありません。
命に関わる事故や病気も経験していますし、スタッフからはたくさんの喜びをもらっていますから。
あと10年、僕ができる最高の形で次世代にバトンを渡せるか、スタッフ個人にフォーカスを当て共存、共育、共栄で100年続く企業を目指し走り続けたいです。

僕は、高槻に生まれ育ちました。
スタッフにも北摂の出身者が多いです。
小学校からの親友の息子さんが入社して働いてくれています。
北摂の街をキレイな人でいっぱいにしたい。
ビューティーの力で地域社会に貢献する事が価値と理念です。
中学生を対象に職業体験の受け入れも行っています。
ずっと通ってくれているお客様も、ご高齢になられ来店する事が難しい方もいらっしゃいます。
今ではマネージャーが中心となり、お客様のご自宅に伺って施術をさせて頂いています。
最近、ビックリして嬉しかった事があります。
2年生が自ら「やらせて下さい」と言ってくれて、セット&浴衣着付けの予約をたくさん取り大活躍したことです。
ビジネスとして進むとかではなく、お客様に喜んでもらいたいという気持ちに感動しましたね。
また今年、好調だった店舗の発展的統合をしましたが、サロン全体として売り上げは下がらなかったです。
次回予約など、スタッフみんなの頑張りの結果です。
かつてオープン前にお客様が並んでいた時代がありました。
今は残念ながらそうではありません。
スタッフの夢やチャンスをサポートして「技術も接客も素晴らしいわ!あなたに会えてよかったわ!!」と言って頂ける組織創りで、地域の皆さんのライフスタイルに寄り添い、美容と健康をサポートできるプラットフォームで在る。
というのが目指すべき方向だと考えています。

僕はアンパンマンが大好きです。
昔はスター美容師が求められていた時代もあります。
もちろん野心も力になりますし必要ですが、今の時代は1人だけが輝いているスターの時代ではなく、1人1人が自分の得意技でたくさんの人を喜ばすヒーローが求められていると思います。
見学に来られた学生によくする質問があります。
「今、何が楽しい?」と、色々な答えがありますが、やはり自分の好きな事や得意な事を誰にも負けないくらい頑張れば、自信になり強みになると思っています。
昔、ショックな事がありました。
技術もビジュアルも素晴らしいスタッフが辞めていく時、「人が喜んでいる姿が嬉しくない」と、、、きっと今は美容師をしていないと思います。
自信あるスキルとFOR YOUの精神があれば、美容師は一生続けられる仕事だと思います。
夢や幸せはそれぞれで一人ひとり違います。
成長も一人ひとり違います。
個人にフォーカスしてみんながなりたい自分になれる会社を目指しています。
自慢のスタッフと共に夢に向かって共に成長し、美容を楽しみましょう!